本が出ます(『妖怪の誕生』青弓社)
博士論文をベースにした拙著『妖怪の誕生 超自然と怪奇的自然の存在論的歴史人類学』が5月27日に青弓社より発売となります。
まだオンライン書店などでは予約できないようなので、GW終わりぐらいまではお待ちください。
税込み4400円と高めですが、文化人類学や民俗学の立場からの妖怪研究を一歩進める内容になっていると思いますので、ご関心のある方は是非手にお取りください。
出版社のページにはまだ目次が掲載されていないようなので(再校ゲラをまだ返送していないからですが)、暫定的に、ここに目次を掲載しておきます。
序章 妖怪学の存在論的前提
1 本書の目的
2 本書の対象
3 概念の超自然的性格
4 学史における存在論的区分
第1部 妖怪と超自然の近代
第1章 超自然概念をめぐる論争
1 自然概念の多様性
2 超自然概念の有効性
3 超自然概念の批判
4 非日常的なものとしての超自然
5 精霊的用法
6 超自然概念の多様性と統一性
第2章 妖怪の超自然
1 従来の妖怪学と超自然概念
2 現代日本における自然と超自然
3 西洋的自然と日本的自然
4 前近代における超越/内在
5 尋常ならざるもの
6 妖怪概念の精霊的用法
第3章 妖怪の近代
1 欧米における「超自然の近代」
2 十九世紀末、超自然概念の導入
3 初期妖怪論における超自然
4 近世幽冥存在論
5 近代幽冥存在論
第2部 妖怪の非近代的概念化
第4章 妖怪の文化
1 自然と文化
2 オキナはクラーケンである
3 「寓言」と「あるもの」
4 水虎は古代ローマの海神である
5 対象の転写は連鎖する
第5章 妖怪の科学
1 俗信に対する一般対称性
2 妖怪の科学的研究
3 俗信と民俗学
4 真空説――その誕生から衰退まで
5 俗信と科学知識の場
第6章 怪奇的自然
1 怪奇概念の展開
2 くねくね
3 関係論的宇宙からの逸脱
終章 妖怪学の原理
1 怪奇的自然と妖怪の概念
2 妖怪学の新たな原理
参考文献一覧
あとがき
索引