2018-09-01から1ヶ月間の記事一覧

近世国学の妖怪論(宣長・守部・隆正)

本居宣長は、上田秋成や平田篤胤とちがって積極的に妖怪的なものを語ろうとはしなかった。いちおう「カミ」の定義のなかで妖怪的なものを列挙してはいるが、付属品的な扱いでしかない。(前に紹介した↓) youkai.hatenablog.jp しかし、門人との問答のなかで…

前期国学の妖怪論

近世国学の妖怪論はどうなっていたのか。平田篤胤が語りすぎたので、一人だけ有名になってしまっているが、前期国学の人々も、当時の多くの知識人と同じように、通りすがりに程度であるが、怪異・妖怪について語っているところはある。ちゃんと調査したわけ…

「妖怪は神経のせい」言説はどこまで遡れるのか?

三遊亭円朝が『真景累ヶ淵』(活字1888)の始めに「幽霊と云うものは無い、全く神経病だと云うことになりましたから、怪談は開化先生方のお嫌いなさる事でございます」と語ったように、「妖怪や怪談なんてものはない!」と否定する言説は明治時代の「文明開化…